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フルート・オカリナ・ケーナ・リコーダー奏者
松原 佐織 さん
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 世界共通の言語と呼ばれるのが音楽です。そんな音楽を身につ
けている人を私は尊敬します。うらやましかったり、またどこか
ひがんでいたり・・・。そして、その音楽をそれとなく極めてい
る人はたたずまいが凛々しく、自信にあふれているのです。
 松原さんは小さい頃にピアノを習っていて、その習い事が自分
の考えている方向とはちょっとずれていった頃に、リコーダーに
出会いました。といっても、小学校の頃に誰しもが音楽の時間に
習っていて、ランドセルににょきっとささっていたあれです。そ
の「笛」に興味を持ち始め、中学からの吹奏楽部ではフルートを
吹いていました。その後、だいぶたってから「オカリナ」に出会
います。オカリナをはじめたのは4,5年前からです。
 オカリナはわりと小さな楽器で、ポケットにもそっと忍ばせて
おけるものですから、松原さんはたとえばオカリナの発祥の地、
イタリアに単身出かけていって、ホテルのロビーや公園でゲリラ
的にライブを開いたりもしたそうです。近場では王子が岳で練習
をするとか。そしたら、鳥が寄ってくるということです。笛の音
に動物たちが反応して、犬が遠吠えしたりもするそうです。まる
で絵本の中のお話みたいですが、きっと松原さんの笛の音が生き
物に語りかけているのでしょうね。きっと私が吹いても蛇が寄っ
てくるだけでしょう。
 大きな野望があります。世界中の人と笛を吹いて、同じものを
感じたい。そして、オカリナだけのオーケストラをつくりたい。
いまそんな野望に向けてがんばっています。きっといつかそんな
日が来るに違いありません。それくらい松原さんの目は自信に満
ち溢れているからです。
そこまで真剣になっている理由のひとつに、3年前のいとこのこ
とがあります。若くしてガンで亡くなってしまったのです。その
ときに感じた自分の無力さを自分ができることで役に立ちたい。
自分にできるのは「笛」を吹くこと。わたしの奏でる音色でたく
さんの人を安らかにしたい。癒したい。その思いが松原さんの心
にずっとあるから、とても強いのです。
 もうすでにたくさんの人の心を、松原さんの音で揺らしている
ことでしょう。そしてこれからもまた多くの人の心に響く音を届
けていくことでしょう。それはもちろん国境を越えて世界中の人
々です。だから音楽は世界共通言語だし、その音楽を届ける人は
とてもすごいです。
「笛」を通じて自分を表現しているという松原さんです。その音
をはやく聞いてみたいと思いました。きっと、いつもやさしい音
色に違いありませんから。私もそんなやさしさに包まれてみたい
うちのひとりです。
Weekly Kurashiki 週刊倉敷メール 掲載
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